著者
角島 誠
出版者
広島工業大学
雑誌
広島工業大学紀要.教育編 (ISSN:13469983)
巻号頁・発行日
no.19, pp.127-136, 2020-02

日本の高等学校理科における学習指導要領ならびに教科書での誤差、測定値、有効数字の扱い方について、フランスの教科「物理・化学」の事例を参考として、現状に対する指摘を行った。日本の場合、学習指導要領では中学校・高等学校共に言及されておらず、教科書では、誤差、有効数字の表し方・計算の処理の仕方にとどまっており、統計的な扱いがないことなどを指摘した。また、科目や教科書選択によっては全く扱わないこともあり得ることを指摘した。フランスでは学習指導要領にて「誤差と不確かさ」の項目が設けられており、教科書では統計的な扱いが必要な不確かさの説明に比重が置かれて説明されている状況を報告し、グラフ関数電卓が常用されている環境要因の大きさを指摘した。