著者
諏訪 将大 八杉 昌宏 平石 拓 馬谷 誠二
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.15-15, 2016-02-26

我々は分散進捗管理のためのシステムとしてメッセージ媒介システム(MMS)を開発している.本発表ではMMS中の不必要なメッセージの削除方法について述べる.MMSは並列アプリケーションや並列言語処理系の開発に有用であり,MMSを介して与えられた計算の部分的計算結果をメッセージとして多数のワーカが交換できる.一部ワーカが障害により停止してもよいような並列分散手法により,MMSは与えられた計算の進捗を管理する.開発の初期段階においては,アプリケーション独自の樹状再帰的計算の一部を表すための可変長アドレスを各ワーカが使ってよいものとしてMMSを設計した.このアプローチで計算速度の向上と耐障害性が達成されたが,書き込まれたメッセージが単調に増え,メモリ使用状況へ大きな影響があった.本研究では不必要なメッセージを削除できるようMMSの設計と実装を変更し,その効果を評価する.