著者
原田 眞澄 谷本 満江
出版者
中国学園大学
雑誌
中国学園紀要 (ISSN:13479350)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.131-135, 2006-06-16
被引用文献数
1

乳幼児期は基本的な生活習慣を確立していく段階であるが,夜遅くまで起きている習慣がつく子どもが急増してきている。保育所・幼稚園などでも園児の夜ふかしが問題視され,保育者は家族に早寝早起きするよう働きかけてはいるが,期待した成果が得られていないのが実状と思われる。早寝早起きの意義は大きく理想ではあるが,時代的背景を考慮すると限界も感じてしまう。それよりも,家族がおかれている環境の中で実現可能なことから改善していくという柔軟さも必要なのかもしれない。そこで,現代の子育てにおいて,子どもに少しでも良質な睡眠を提供するための手立てとはどのようなものかを検討したいと考えた。岡山県の保育所・幼稚園の5〜6歳児260名を対象に,2週間連続の睡眠リズムと就寝時の過ごし方に焦点をあてて,質問紙によるアンケート調査を実施した。睡眠リズムは週末に崩れやすく,就寝時までの過ごし方はテレビやビデオから光刺激を多く受けている特徴が明らかになった。今後は,こうした点にも着眼した保健指導を行う必要性が示唆された。
著者
谷本 満江
出版者
中国学園大学
雑誌
中国学園紀要 (ISSN:13479350)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.23-28, 2007-06

筆者の体育講義内容は,健康分野を中心としている。我々は講義すること,受講させることは簡単であるが,実際に皆が健康なからだで,健康な日常生活を送ることが重要と考えている。現代社会では,夜型生活の傾向があり,特に大学生に於いては,親元を離れて生活をしたり,サークル・アルバイト活動が多いなど,いろいろな面で自己管理しなければならない。しかし,多くの学生は不規則な日常生活を送りやすいと考えられる。本学の学生に対しては,これまでの生活習慣をいかに行動修正・行動変容させるかは筆者の責任と考え,講義している。最初に学生の体脂肪率測定を行い,これまでのライフスタイルを生活に関する調査でチェックした。そこで,まず自分の身体とライフスタイルを確認し,興味・関心を持つこと,そこからの出発なので学生の中に講義内容が浸透しやすかった。健康の3本柱である《食事》《休養》《運動》に於いて,最低気をつけたい具体的目標をかかげた。《食事》(1)朝食を摂る(2)三食きちんと取る《休養》(1)平日と休日の起床・就寝時刻を同じにする(2)その日の内に寝る《運動》(1)日常生活での姿勢に気をつける(2)できるだけ歩く…これらは簡単そうに思えるが,実はこれを実行し,継続することは意外と大変である。しかし,体育講義受講後はダイエットしようと考えていた学生も間違った方向に行かないように考えていた。そして,各自可能な内容を1週間,2週間と行動修正し,継続できた者が結果的にダイエットに繋り,更に精神的にも前向き・意欲的になり,他学生にも報告し自他共に認めていた。また,9割の学生は少なくとも何らかの形で,健康に気をつけて生活できるようになったと記述していた。今後もこれが行動変容として習慣化されることを願っている。