著者
石川 千里 豊島 良美 髙田 雅美 長尾 年恭 城 和貴
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.22-31, 2010-03-17

地電位差データに稀に含まれる異常電流を地震前駆的シグナル (SES: Seismic Electric Signals) として検出することで地震の予知を図る手法がある.強い電車ノイズを含む地電位差データから SES を検出するために,独立成分分析 (ICA: Independent Component Analysis) を地電位差データに適用し,電車ノイズを分離することが試みられており,結果として ICA が有効であることは確認されている.また,地震予測を迅速に行うためには,ノイズを分離したデータから自動的に SES を検出する手法が必要である.本稿では,ICA を用いて電車ノイズを分離した結果から,自動的に SES を検出する手法について提案する.新潟県中越地震の SES を含むと考えられる地電位差データに対して提案手法を適用する実験を行い,適用結果と地震発生データの相関調査を行う.