著者
赤羽 新太郎
出版者
明治大学経営学研究所
雑誌
経営論集 (ISSN:0387298X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.257-270, 2010-03

本稿は、21世紀のグローバリゼーションの問題と課題を明らかにしようとする試みである。2008年9月リーマン・ブラザーズ証券の破綻を機にして、21世紀のグローバリゼーションの本質がまさに問われている。AIG保険の経営危機と救済、ゴールドマン・サックス証券やモルガンスタンレー証券の銀行持株会社化、国際金融をリードしたシティ・グループの経営悪化などアメリカサブプライム問題に端を発した未曾有の国際金融経済危機は、FRB元議長のグリーンスパンをして百年に1度の信用危機と言わしめた。2009年2月17日の新聞報道によれば、日本のGDPは2008年の第三・四半期の成長は、35年ぶりの年率12.7%の減少率となり、輸出減13.9%の過去最大の落ち込みとなった。