著者
酒井 秀夫 阿野 仁志 久世 法子 酒井 聖花
出版者
動物臨床医学会
雑誌
動物臨床医学 (ISSN:13446991)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.182-185, 2017

<p>9歳の去勢雄のノルウェージャンフォレストキャットが健康診断のため来院した。一般血液検査では変性性左方移動が認められた。 血液塗抹では好中球,好酸球,好塩基球および単球に核の低分葉が認められ,それらは1年以上継続してみられた。血液化学検査,画像診断,微生物検査(FIV, FeLVなど)および,骨髄検査の結果から偽ペルゲル・フェット異常を除外し,ペルゲル・フェット異常と診断した。</p>
著者
酒井 秀夫 澤本 吉貴 酒井 聖花 阿野 仁志
出版者
動物臨床医学会
雑誌
動物臨床医学 (ISSN:13446991)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.180-184, 2015-12-25 (Released:2016-12-25)
参考文献数
11

1頭は歯肉出血,1頭は排便障害を主訴に来院した2頭の未去勢雄に停留精巣,雌性化,血中エストラジオール濃度増加を認めた。病理組織検査でセルトリ細胞腫と診断された。症例1は汎血球減少症と骨髄重度低形成を認めた。炭酸リチウム,ダルベポエチン, 組換え人顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF),蛋白同化ステロイドによる治療に対して無効で,トロンボポエチン受容体作動薬のロミプロスチムを投与したところ,血球減少症の改善が認められ,骨髄造血の回復も確認された。症例2は血小板減少症と軽度の貧血がみられ,骨髄は正~過形成髄で巨核球系細胞は低形成であった。その後好中球減少症も認められたため,ロミプロスチムやG-CSFを投与したところ血球減少は改善し,骨髄では巨核球の回復も確認した。ロミプロスチムは犬のセルトリ細胞腫に起因する骨髄抑制に対し有効な治療となることが示唆された。