- 著者
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野呂 良瑛
中村 遼
大崎 博之
- 雑誌
- 研究報告インターネットと運用技術(IOT)
- 巻号頁・発行日
- vol.2015-IOT-28, no.16, pp.1-6, 2015-02-26
近年,データを送受信するホストではなく,送受信されるデータを主体としたネットワーク (データセントリックネットワーク) の一つとして CCN(Content-Centric Networking) が注目されている.本稿では,多段キャッシュネットワークにおけるキャッシュのヒット率を解析的に求める近似アルゴリズム MCA (Multi-Cache Approximation) を利用することにより,任意のネットワークトポロジにおける CCN の性能を解析する.複数のルータと,複数のリポジトリから構成される CCN ネットワークを対象とし,エンティティがコンテンツを要求してからコンテンツを取得するまでに要する時間 (コンテンツ配送遅延),コンテンツ取得のスループット,ルータやリポジトリが故障する場合にエンティティがコンテンツを正しく取得できる確率 (可用性) を解析的に求める.さらに,いくつかの数値例により,ネットワークのトポロジが CCN の有効性に与える影響を調査する.その結果,CCN では,リポジトリに近いルータほど,コンテンツのキャッシングによる性能向上の恩恵 (コンテンツ配送遅延の短縮および可用性の向上) を受けることがわかった.