著者
野澤 卓弍
出版者
九州女子大学・九州女子短期大学
雑誌
九州女子大学紀要. 人文・社会科学編 (ISSN:09162151)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.55-75, 2004-09

小学校国語教科書は約百三十年の歴史を持っている。この間に表記法は様々に変ってきた。だが、どのような経緯、理由によって、いつごろ、どのように変ったのか、いまになってはよくわからないものも多い。今後、国語問題を議論するときに、それらの事情はぜひ承知しておきたい。そのような動機から、国語教科書の表記および表記法の変遷を調べてみた。扱ったのは、以下の問題である。一、書き出し、改行後の文字の位置 二、句読点の表記法 三、カギカッコの会話文の表記法 四、促音、拗音、長音の表記法 資料の不足もあって確定できないものもあった。しかし、大きな流れは捉えられたのではないかと思う。