著者
金 泰暻
出版者
日本近代文学会
雑誌
日本近代文学 (ISSN:05493749)
巻号頁・発行日
vol.98, pp.59-70, 2018-05-15 (Released:2019-05-15)

漱石がブームである。没後一〇〇年、生誕一五〇年を迎えていた夏目漱石が生まれ死んだ日本でのことを言うのではない。二〇一七年四月八日、ソウルに位置した明知大学校で韓国日語日文学会春季学術大会が開かれた。この日のテーマは、夏目漱石の生誕一五〇年を記念して「夏目漱石、一五〇年の旅、そして韓国」であった。かかる漱石への関心は「日本」関連の仕事に従事している専門家に限ってのことではない。二〇一六年、韓国のある出版社から『夏目漱石小説全集』全十四巻が完訳・刊行した。本稿では、玄岩社版『夏目漱石小説全集』に焦点を合わせ、現在の「文学」をめぐる諸条件のなかで、韓国における漱石現象を考察した。