著者
土井 晃一 金原史和 田中 英彦
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1992, no.93, pp.49-56, 1992-11-19

計算機上で自然言語理解を行なう際には文字通りの意味の解析だけでは不十分である。ここではそういうものの一つとして諺をあげる。自然言語理解の応用としてまず考えられるのは機械翻訳である。全世界で刊行される雑誌、新聞等は発行部数が多い。毎日のように新しく刊行されている。なるべくなら母国語で読みたいものだが、人手ではとても間に合わない。しかも現在の機械翻訳ではほとんど扱えない、諺や比喩が頻繁に使われている。現在の機械翻訳では慣用表現は扱うようになってきた[1]が諺のように大きな単位はまだ扱われていない。文章の中心的意味がここで表現されていることが多い。多くは直訳できるがそうでないものも多い。ここの翻訳を間違えると文章全体の意味が通じなくなってしまう。現在の機械翻訳の仕組みから考えて、意味処理をしてから諺などの検出はしにくい。諺のところで構文解析、意味解析が失敗してしまうことが多い。早期に諺などを検出することにより、構文解析、意味解析、文脈・状況理解の助けになる。諺を検出する際に必要なことは、どこで、どういう形で使われているかである。単に辞書をひくだけでよいこともある。この場合は形態素解析とおなじことになる。諺という品詞を一つ増やせば良い。例えば「馬の耳に念仏」という例だと、この通りにこの場合は「名詞」として辞書に登録すれば良い。しかし諺が少しでも変化するとこの方法は使えなくなる。特に会話文等にこの傾向は顕著である。例えば「何とかとハサミは使いよう」という例が挙げられる。本論文ではこのように変化した諺を可能な限り検出する方法を提案する。Only the analysis of literal meaning comaprehension is not enough for natural language comprehension on computer. In this paper, proverb is treated in the example of non-literal meaning. Machine translation is considered that application of the research of natural language comprehension. There are many journals and newspapers which are published in the world every day. In these, proverb and metaphor are used frequently. They often have a central maening of the sentences. The-state-of-art machine translation cannot treat such proverb and metaphor. Syntax analysis, maening analysis and context analysis can be easily done when the proverbs are detected in the earlier stage of natural language comprehension. We research the variation of proverbs. We propose the keyword method to detect various proverbs.