著者
藤澤 宏幸 鈴木 克憲 浦島 貴子 金子 文成 綿谷 美佐子
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.21, no.7, pp.425-429, 1994-11-30
被引用文献数
5

本研究の目的は, 運動肢位によってことなるとされる最大筋トルクが, 筋活動量の変化によるものか, または上腕骨長軸と筋走行の成す角度および筋長が変化するため(運動力学的要因)なのかを明らかにすることである。健常男性6名の右肩関節を対象に, 肩関節内外旋運動時の最大筋トルクと回旋筋群の筋電図を, 肩関節90度外転位および90度屈曲位の二つの肢位で測定した。外旋運動時の最大筋トルクは90度外転位で有意に大きかったが, 内旋運動時の最大筋トルクに有意な差はなかった。筋活動量は両肢位で有意な差がなかった。以上の結果より, 運動肢位による外旋運動時の最大筋トルクの変化は, 運動力学的要因が主因と思われた。