著者
鈴木孝則
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.1983, no.44(1983-ARC-029), pp.1-10, 1983-11-28

近年のコンピュータの発展はめざましく、とりわけ、パーソナルンピュータの性能は日毎に大きく向上している。漢字ディスプレイ、漢字プリンタなど日本語を扱える環境が整い、日本語処理が声高に叫ばれている。このような状況から生れた日本語ワープロの利用は、この一年をとっても急速な伸びを示している。この日本語ワープロは、パソコンがうまく利用されている例ともいえる。それでは、自分のさせたいプログラムを書くことは、どうであろうか。ワープロが使えるからといって、一般の人が簡単にプログラム作成できるものではない。たとえ、パソコンで最も普及している"BASIC"言語を使っても、むずかしいものである。とりもなおさず、"BASIC"を含めて、これまでのプログラミング言語が英文表記であったため、プログラムの習得を一般的なものとなしえてはいなかった。日常使いなれている言葉を利用したものつまり、日本語でプログラムできればよりコンピュータ利用の層が増すと考えられる。松下技研(株)では、この日本語でプログラミングできる「日本語AFL」(注1)を、概に開発済の対話型高級言語「AFL」(注2)を用いて開発に成功した。国際データ機器では、これを採用、改良して、”ワープロ感覚でプログラミングできる!”日本語プログラミング言語「和漢」(注3)として商品化した。