著者
錢場 武彦
出版者
金原一郎記念医学医療振興財団
巻号頁・発行日
pp.288-290, 1954-06-15

胃の活動が反射的に大陽運動に影響する例には,日常屡々遭遇する。殊に下痢の際に攝食によつて直ちに便意を催す事は顕著である。 この研究はHolzknecht(1911)6)が初めてレ線によつて観察し,Cannon(1911)1)も之を認め,Hertz(1913)4)はgastorocolic reflexと名ずけた。のちWelch & Plant(1926)9)が之はfeeding reflex又はappetite reflexと称すべきであると云う。一方Ivy〈1926)3)は之はduodenocolic reflexであつて,胃とは無関係であると云つたが,Zondek(1920)10)は兎で腹窓法によりHines,Lueth & Ivy(1929)5)は人で,Galapeaux & Templeton(1938)2)は犬で,夫々胃の拡大或は充実により大腸運動の増加或は脱糞を認めて,この反射の成立を確めて居る。