著者
谷口 輝 梅田 眞三郎 長谷川 盛三 Yang Wen-Jei
出版者
社団法人 可視化情報学会
雑誌
可視化情報学会論文集
巻号頁・発行日
vol.24, no.11, pp.62-69, 2004

菱形角柱群管路からの流出噴流にフリップ・フロップ流れが発現する条件の一つには,少なくとも三列以上の菱形角柱群管路であることが必要となっているが,菱形角柱群の列数の違いによる流路内の分流領域における流れの特性については十分に明らかにされていない. 本研究では,単一菱形角柱の後流との比較も含め,菱形角柱の列数を変化させた場合の流路内での流速変動を二次元レーザ・ドップラー流速計(LDV)を用いて計測を行い,パワースペクトル特性を調べた.その結果,カルマン渦列とフリップ・フロップ流れのそれぞれの振動に関する定量的な違いや菱形角柱列数を変化させた場合の分流領域での流れの違いを明らかにするとともに, 第三列目の分流領域の分岐点付近には,カルマン渦列と交差流れのせん断層及びフリップ・フロップ流れのそれぞれの振動が干渉し合っている特異な点が存在することを発見することができた.