- 著者
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柳沼 〓
泉 陸一
長阪 恒樹
安井 洋
新居 隆
川端 正清
細川 仁
八木 義仁
藤盛 亮寿
須藤 裕悦
- 出版者
- 社団法人日本産科婦人科学会
- 雑誌
- 日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
- 巻号頁・発行日
- vol.33, no.2, pp.207-214, 1981-02-01
正常妊娠を経過した71例の妊婦の妊娠38週から42週の間の分娩時に, 膀帯静脈血を採取し, その血清中の成長ホルモンとプロラクチンを夫々に特異的なRIAにより測定して, 次の諾結果を得た.この期間中その成長ホルモンおよびプロラクチンレベルはほぼ一定である.これらのホルモンレベルは分娩時間の長短に関係なくほぼ一定である.成長ホルモンレベルは, 分娩時刻に関係なく, 一日を通してほぼ一定である.プロラクチンレベルには, (2〜4)時に最高値を示し, (6〜8)時に最低値となり, (14〜16)時から(22〜24)時の間はほぼ一定であるという目内周期性が認められる.これらの事実は, 妊娠末期においては, 胎児血中成長ホルモンレベルは, ほぼ一定であり, 陣痛, 分娩のようなストレスに影響されないことを示唆する. 一方妊娠末期において, 胎児プロラクチンレベルはまた, ほぼ一定であるが, 目内周期性変動があり, これは陣痛・分娩というストレスにより影響されないことが示唆される.そして膀帯血中ブロラクチンレベルを比較する時には, この周期性を考慮することが重要であることを示す.