- 著者
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関 真規人
和田 俊和
松山 隆司
- 雑誌
- 情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)
- 巻号頁・発行日
- vol.1993, no.66(1993-CVIM-084), pp.7-14, 1993-07-22
我々が以前提案したγ?ωHough変換は、通常のρ?θHough変換と比べ次のような優れた特長を持っている。() パラメータ空間を均一に標本化し全画素からの投票を行なっても、パラメータ空間に蓄積される投票度数に偏りが生じない。() 投票軌跡が2本の線分から成る折れ線となり、軌跡の描画やパラメータ空間を用いた直線の幾何学的性質の解析が容易に行なえる。しかし、従来のγ?ωHough変換アルゴリズムでは、1本のディジタル直線に含まれる画素集合からの投票がパラメータ空間中の複数のセル (標本化区間) に分散することがあり、ディジタル直線を構成する画素の数が投票度数として正しく捉えられないという問題点がある。これは、従来のγ?ωHough変換アルゴリズムが、画像空間中に存在する全てのディジタル直線を検出対象としていなかったことに起因する。本研究では、ディジタル直線の幾何学的性質を詳細に解析し、画像空間中に存在する全てのディジタル直線と1対1に対応したセル配置を持つようにγ?ωパラメータ空間を標本化する方法を求めるとともに、そのセル配置に対する妥当な投票方法を明らかにする。本論文で提案するセル配置と投票方法を用いた「高精度γ?ωHough変換アルゴリズム」を用いることにより、任意の方向、位置を持つディジタル直線が安定かつ高精度に検出できる。