著者
水本 裕士 阿部 駿佑 稲垣 裕之 浅岡 龍徳
出版者
公益社団法人 日本冷凍空調学会
雑誌
日本冷凍空調学会論文集 (ISSN:13444905)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.327, 2019-12-31 (Released:2020-12-31)
参考文献数
13

工場排熱や太陽熱等の中低温(200°C 以下)の熱利用を対象としたスラリー熱媒体として,エリスリトール水溶液の固液共存状態であるエリスリトールスラリーを提案する.熱媒体として使用するために,熱伝達特性について把握することを目的とする.実験は周囲から一様の熱流束で加熱されたステンレス管にエリスリトールスラリーを流し,固相率とレイノルズ数をパラメータとして局所熱伝達係数を測定する.層流では,管断面の局所熱伝達係数に関して,管側部と管下部の局所熱伝達係数が高くなることがわかった.乱流では,管断面で熱伝達係数の差は小さく,固相率の影響も少ないことがわかった.結果より,層流域において固相率と流動様相の変化が局所熱伝達係数に大きな影響を及ぼすことを確認し,システムの設計においては流動様相を考慮する必要があることを示した.