著者
青木 信一
出版者
佛教大学
雑誌
佛教大学教育学部学会紀要 (ISSN:13474782)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.39-48, 2015-03-18

本稿では、A中学校における総合的な学習の時間を活用した、キャリア教育の取り組みに着目し、その取り組みのひとつであるドリカムスクールが、子どものキャリア発達に及ぼす効果や影響を明らかにすることを目的とした。最初に、キャリア教育で育成すべき力である、基礎的・汎用的能力(自己理解・自己管理能力、人間関係形成・社会形成能力、キャリアプランニング能力、課題対応能力)と、中学校学習指導要領に定められている総合的な学習の時間の目標について整理した。次に、総合的な学習の時間を活用したキャリア教育の視点からのドリカムスクールの取り組みは、子どもの基礎的・汎用的能力の育成に効果的なプログラムである、という仮説を立て、事例研究をおこなった。 その結果、ドリカムスクールが効果的なプログラムである、と断定することはできなかった。しかしながら、一般化という観点では、多くの課題が残るものの、ドリカムスクールの取り組みが、子どもの基礎的・汎用的能力の育成に有効な方策のひとつである、ということが本研究により明らかになった。