- 著者
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山本 兼右
山崎 秀男
高倉 玲奈
小川 利政
桑野 忠雄
三浦 一利
山口 健人
久保 文裕
蓮尾 智之
房永 佳那
稲葉 有美江
田中 幸子
- 出版者
- 一般社団法人 日本消化器がん検診学会
- 雑誌
- 日本消化器がん検診学会雑誌 (ISSN:18807666)
- 巻号頁・発行日
- vol.53, no.3, pp.365-375, 2015 (Released:2015-06-15)
- 参考文献数
- 24
本研究の目的は, 対策型検診撮影法(基準撮影法I)と任意型検診撮影法(基準撮影法II)の実効線量を明らかにすることである。対象は, 大阪がん循環器病予防センターで胃がん検診を受診した40,456名から男女別, 撮影法別で無作為に抽出した240名である。方法は, 240名の1検査の面積線量(DAP)と入射表面線量(ESD)を分析し, モンテカルロシミュレーションソフトPCXMC dose calculations Ver.2.0.1.3を用いて実効線量を算出した。1検査の実効線量と入射表面線量は, 基準撮影法Iで4.41mSv, 33.97mGy, 基準撮影法IIで5.15mSv, 46.92mGyであった。受診者の男女別および撮影技師の経験年数による差の分析では, 両撮影法IとIIともに, 男性と5年未満の技師の実効線量が多い結果となった(P<0.05)。また, 受診者のBMIと実効線量の関係は, 両撮影法IとIIともに, 正の相関関係があることを確認した(I:r=0.500, P<0.05), II:r=0.584, P<0.05)。本研究は基準撮影法IとIIの実効線量を日本で初めて明らかにした研究である。