- 著者
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高山 隼矢
梶原 智之
荒瀬 由紀
- 出版者
- 一般社団法人 言語処理学会
- 雑誌
- 自然言語処理 (ISSN:13407619)
- 巻号頁・発行日
- vol.29, no.1, pp.84-111, 2022 (Released:2022-03-15)
- 参考文献数
- 45
- 被引用文献数
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人間は対話においてしばしば相手の質問や発話に対して間接的な応答をする.例えば,予約サービスにおいてユーザがオペレータに対して「あまり予算がないのですが」と応答した場合,オペレータはその応答には間接的に「もっと安い店を提示してください」という意図が含まれていると解釈できる.大規模な対話コーパスを学習したニューラル対話モデルは流暢な応答を生成する能力を持つが,間接的な応答に焦点を当てたコーパスは存在せず,モデルが人間と同様に間接的な応答を扱うことができるかどうかは明らかではない.本研究では既存の英語対話コーパスである MultiWoZ を拡張し,71,498 件の間接的応答と直接的応答の対からなる対話履歴付きパラレルコーパスを構築した.また,間接的な応答を扱う能力を評価するための 3 つのベンチマークタスクを設計し,最新の事前学習済みモデルの性能を調査した.さらに,ユーザーの間接的な発話を事前に直接的な発話に変換することで対話応答生成の性能が向上することを確認した.