著者
杉浦 智基 高橋 慧智 市川 昊平 飯田 元
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2021-IOT-53, no.18, pp.1-6, 2021-05-06

ネットワーク通信において,最適な通信経路はアプリケーションの特性に応じて変化する.VoIP をはじめとする遅延時間に性能が大きく左右されるものは遅延が少ない経路が最適であり,ファイル通信を伴うものは高帯域幅を確保できる経路が最適であると言える.一方で既存のルーティングプロトコルはこれを考慮しない.本研究では SRv6 を用い,アプリケーションの特性とネットワークの通信状況に応じた動的な経路制御手法を提案した.また,仮想マシンを用いた実験環境に提案システムを適用し,その有効性を確認した.
著者
高橋 慧智 伊達 進 Khureltulga Dashdavaa 木戸 善之 下條 真司
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:21888795)
巻号頁・発行日
vol.2016-OS-137, no.13, pp.1-6, 2016-05-23

われわれは,ネットワーク内のパケットフローを動的に制御可能とする SDN に着眼し,並列分散プロセス間通信ライブラリ MPI の通信性能向上を目的とし,SDN-MPI の研究開発を推進してきた.SDN-MPI のプロトタイプ実装を通じて,本研究では,個別の MPI 関数を単独で実行した際の通信時間の短縮を実証した.しかし,これまでの実装は,MPI の個別の集団通信の高速化を実現するに留まっており,複数の集団通信が駆使された実際の MPI アプリケーションへの応用のためには,アプリケーションが呼び出す MPI 関数相互結合網の制御を連動・連携して行う仕組みが必要不可欠である.本稿では,そのような問題点に着眼し,われわれが開発してきた MPI 通信パターンに基づく SDN 制御を高速化するカーネルモジュールについて報告する.