著者
高橋 響子 赤木 正人
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2019-MUS-123, no.24, pp.1-4, 2019-06-15

歌声には,喉頭および口腔内で生じる乱流雑音が多い.そのため,音声生成過程の数理モデルによる歌声の声道共鳴特性および声帯音源特性の推定は困難であった.本研究では,歌声生成過程の解明に向け,乱流雑音を含む歌声の声帯音源波形と声道共鳴特性の同時推定法を提案する.推定される声道共鳴特性の安定性を保つために,声道共鳴特性は声帯音源特性に比較してゆっくりと変化するという仮定のもと声道共鳴特性を推定した.歌声のシミュレーション波形をデータとして用いた分析実験により,乱流雑音が声帯音源に含まれる歌声において,声帯音源波形と声道共鳴特性が同時推定可能であることが確認された.