- 著者
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高浜 逸郎
藤田 昌大
- 出版者
- 公益社団法人精密工学会
- 雑誌
- 精密機械 (ISSN:03743543)
- 巻号頁・発行日
- vol.48, no.5, pp.622-628, 1982-05-05
- 被引用文献数
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2
正常人の坂道および階段歩行について観測実験を行い, 動作および脚の関節回りのモーメントを解析した.解析の方法および平道歩行の解析結果については既に報告している.本論文では, 平道歩行の場合と対比させながら, 坂道および階段歩行における動作とモーメントの基本パターンについて述べる.その内容では次のようなことが明らかにされる.支持足期における重要な動作は, 上り歩行では上体の位置のエネルギーを上げる動作であり, 下り歩行では着床の衝撃を柔らげて上体の運動の変化を滑らかにする動作である, 浮足期においては, 足指先(階段下りにおいては踵)を歩行路に接触させないようにする動作が重要になる.歩行運動の基本パターンは, 上述の動作および動作を作り出すモーメントの変化のいずれもが滑らかになるように構成されている.