- 著者
-
御子柴 甫
武井 峯男
高瀬 吉雄
二條 貞子
下里 文子
野本 昭三
- 出版者
- 日本皮膚科学会西部支部
- 雑誌
- 西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
- 巻号頁・発行日
- vol.47, no.6, pp.1101-1104, 1985-12-01 (Released:2012-03-15)
- 参考文献数
- 6
- 被引用文献数
-
14
8
トラネキサム酸(TA)内服による肝斑の治療を報告した。40例にTA1∼1.5g/日投与したところ著効9例, 有効24例, やや有効5例であり無効は2例のみであつた。また効果発現までの期間が4週間以内の例が33例あり比較的短期間のうちに臨床効果をあらわした。肝斑に対する内服療法として, TAの投与は最初に試みられるべき治療法と考えた。試験管内においてTAはメラニン生成を阻害した。しかしTAが肝斑に対して有効な理由にはなお不明の点があり, 肝斑の発症に局所線溶活性(plasminogen-plasmin)が関与している可能性を指摘した。