著者
永野 久志 高田 安章 鈴木 康孝 杉山 益之 橋本 雄一郎 坂入 実
出版者
The Japan Society for Analytical Chemistry
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.62, no.12, pp.1105-1110, 2013

駅や商業施設,スタジアムなどの,非常に人が多い場所で爆発物の検査を行うため,被験者の手元周辺の検査に特化した爆発物蒸気のサンプリング部を開発した.サンプリング部を駅の自動改札機のICカード認証部を模した形状とし,ICカードをICカード認証部にかざして通過する間に,手やICカードに付着している化学物質から発散する蒸気を質量分析計に吸引し検出する構成とした.ICカード認証部に沿って流す気流について検討した結果,ICカードに付着したtriacetone triperoxide(TATP)や2,4,6-trinitrotoluene(TNT)などの蒸気圧の高い爆薬成分を,約1秒で検出できることを確認した.これにより,駅などの人の往来の非常に多い場所において,人の流れを妨げずに爆発物の検査を実施できる見通しを得た.
著者
川口 洋平 永野 久志 松原 大輔 影広 達彦 高田 安章 橋本 雄一郎 廣池 敦
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

日立では、文科省の委託により、2009年度まで、駅などで使用できる高スループットの爆発物探知技術を開発してきた。この技術では、探知装置が発報した際、対象者の安全な確保が運用上の課題であった。報告者らは、この技術の実用化の支援のため、新たに分散配置した複数カメラの画像に対して対象者の通過時の画像をキーとした類似画像検索を逐次実行する方式を提案し、対象者の経路を逐次実時間で特定できる可能性を確認した。