著者
髙橋 あい
出版者
法政大学大学院
雑誌
法政大学大学院紀要 (ISSN:03872610)
巻号頁・発行日
vol.78, pp.21-33, 2017-03-31

近年,保育士が保護者対応や同僚との連携において困難を抱えているとする報告が多くされており、それら対人場面の困難を軽減する具体的な支援が必要とされている。そこで本研究では,保育士への支援の具体的な方策に関する示唆を得ることを目的として,保育士のソーシャルスキルの経験年数による違いと,保護者対応や職員同士の連携におけるソーシャルスキルの教育ニーズについて明らかにした。現職の保育士83名を対象に質問紙調査を行い,その結果、経験の浅い保育土はベテランの保育士と比較して【解決行動スキル】,【会話スキル】,【感情処理スキル】が未熟であることが明らかとなった。また,経験年数5年未満の保育士は,ソーシャルスキルについての研修を受けたいというニーズが特に高いが,保護者対応や同僚との連携に必要なスキルについては,経験年数の長さにかかわらず,学びたいとする一定のニーズがあることが確認された。