- 著者
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(唐) 釋玄奘 譯
- 巻号頁・発行日
- vol.卷第286, 0871
大乗仏教の基本的教義が書かれている長短様々な般若経典を集大成したもの。600巻。通称「大般若経」。奈良時代から、国家安泰・五穀豊穣・病気平癒を祈って多くの「大般若経」が作成された。本写経は貞観13年(871)3月3日、上毛の豪族・安部小水麿(こみずまろ)が檀主となり、除災招福のために書写供養した小水麿願経のうちの1巻。埼玉県比企郡の慈光寺に152巻が伝存、ほかに20数巻が伝わる。書風には奈良朝の写経風が遺り、併せて柔らかみを帯びた平安朝の筆致が認められる。巻首約50行を欠き、書名は末題に拠る。巻末に安部小水麿の願文がある。