著者
竹田 博信 Hironobu TAKEDA
雑誌
大阪樟蔭女子大学人間科学研究紀要
巻号頁・発行日
vol.9, pp.261-269, 2010-01-31

「遅刻は当たり前」「タメ口(目上の者に対する友だち言葉)は当たり前」「周りに流されやすい」「うまくいかないと,みんな他人のせいにする」「自分の考えや主張が無い」「プライドは高いが学力は 低い」「 競争が不得意」等々。これらは,採用担当者が情報交換をする研修会で,最近の学生の印象を語りあったものである。2000 年以前は「マニュアルに頼ってばかりで面白みに欠ける」「個性と自分勝手をはき違えている」など行動には移すが,マニュアルに頼る学生が多い。という評価が多かった。しかし, 2000 年以降,とりわけ 2005 年以降最初に書いたような自己主張が無い,もしくは最初から「戦い」を避けるような学生が多くなってきたという声が多くなってきた。 しかし,彼らを採用し,企業戦士として育成していくのは企業の使命であるから,企業はこのような学生を吟味して採用していく必要がある。そこで,今の学生が置かれている環境を把握するとともに,採用担当者は学生たちをどう見て,何を憂慮されているのかの視点から,大学に出来ることを探った。