著者
菅野 洋介 カンノ ヨウスケ Kan'no Yosuke
出版者
駒澤大学
雑誌
駒澤大學文學部研究紀要
巻号頁・発行日
no.78, pp.90[1]-71[20], 2021-03

本論文は、十七世紀後半から十八世紀半ばの羽黒修験玉蔵坊文書の分析から、玉蔵坊の由緒形成の特質や諸活動の展開に迫ったものである。主な論点は、玉蔵坊の由緒形成のあり方と羽黒山における「神事」改編の動向についてである。この二つの論点は相互に関連しあうが、特に羽黒修験が担う「神事」の内実に一部迫ることで、当該期の宗教と社会をめぐる研究との関連性を展望していきたい。また本論文は、今後、総体的な羽黒修験研究を行う上での基礎研究となる。