著者
登喜 和江 Kazue Toki 千里金蘭大学 看護学部
巻号頁・発行日
vol.13, pp.41-47,

臨床看護師が気がかりとしている「死後のケア」提供後の患者(遺体)の状態および葬儀担当者の看護師への要望を明らかにすることを目的に葬儀担当者に質問紙調査を行った。大阪府内に事業所を置く90社に180部依頼配布し,46名の有効回答を得た。結果,出血,開口,悪臭,体液漏出,開眼のトラブルを7割以上の者が体験し,看護師の未熟な技術や家族への実情と異なる説明に困惑していた。また,双方の情報提供は,2割以下であった。葬儀担当者は,多くが情報提供を受けないまま様々な遺体トラブルを体験し,その対応に追われていた。以上のことから,看護師の死後のケア技術および知識の向上,ケアを引き継ぐ葬儀担当者との死後のケア技術の変更に伴う結果の検討や情報交換などの必要性が示唆された。