- 著者
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宮薗 久信
橋本 恵司
飯野 靖子
伊藤 啓介
中島 昭彦
Hisanobu MIYAZONO
Keiji HASHIMOTO
Yasuko IINO
Keisuke ITOU
Akihiko NAKASIMA
九州大学歯学部歯科矯正学講座
九州大学歯学部歯科矯正学講座
九州大学歯学部歯科矯正学講座
九州大学歯学部歯科矯正学講座
九州大学歯学部歯科矯正学講座
Department of orthodntics Faculty of dentistry Kyushu university
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- 雑誌
- Orthodontic waves : journal of the Japanese Orthodontic Society = Orthodontic waves : journal of the Japanese Orthodontic Society (ISSN:13440241)
- 巻号頁・発行日
- vol.58, no.5, pp.325-334, 1999
本研究の目的は日常的に口呼吸をしている患者の顎顔面の形態的特徴を分析し, かつ, それらの特徴が環境要因によるものか遺伝的要因によるものかについて検討することである.小学児童58人(男子23人, 女子35人, 6∿12歳)と両親について正面側面の頭部X線規格写真(以下, セファロ)を撮影した.口呼吸の判定は, 他覚症状や既往歴についてのアンケート調査, 問診および視診を併せて行い, 口呼吸群(以下, M群)と鼻呼吸群(以下, N群)に分けた.統計分析するために標準値からの離れ度(SDU)を用いた.SDUは個々の患者が属する性別・年齢群に該当する標準値との差を標準偏差で割って求めた.形態分析の結果, 側面セファロで有意な特徴が示された.すなわち, M群は下顎が後方に回転していて, 上顎前歯が舌側傾斜していた.しかし, 正面セファロ分析で2群間に有意差はなかった.側面セファロにおける親子の相関に関して, M群は親子相関が低い傾向が推察された.しかし, 正面セファロの親子相関で特徴はなかった.以上のことから, M群の顎顔面形態は形態遺伝学的影響に加えて口呼吸という機能的影響と関連していることが示唆された.その結果, 上顎歯列の狭窄や下顎の後方回転などを生じるものと推察された.したがって, 矯正医はこれらの原因を除去することを治療方針に考慮すべきであり, 加えて, 後戻りの防止のためにも口呼吸の改善を図るべきだと考えられた.