著者
Momoi Takao
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大学地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.589-594, 1963-09-30

1960年のチリ津波が日本をおそつたとき,北海逆の襟裳岬,関東地方の犬吠岬で岬より少し根元に寄つたところで,津波の波高が最大値をとることを見た.筆者は,この現象を,津波の海岸線にそつての回折であると考え,これを定性的に説明せんとの考えのもとに,半円形の半島をおそった津波の回折を海岸線についてのみ計算した.そして回折波によつて,波高の最大点が実際に起り得ることを知つた.