- 著者
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Sato Yasuo
Takeuchi Hitoshi
Nishimura Eiichi
Nakagawa Ichiro
- 出版者
- 東京大学地震研究所
- 雑誌
- 東京大学地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
- 巻号頁・発行日
- vol.41, no.4, pp.699-703, 1963-12-28
The earth's free oscillation excited by the Chilean earthquake of May 22, 1960 was observed by two gravimeters installed in Kyoto, Japan. The spectrum analysis gives marked peaks within 6 and 30 minutes, which are in good coincidence with the theoretical periods of spheroidal oscillation of the Gutenberg earth's model. Q value around the period 12 minutes came out between 200 and 300.1960年5月のチリ地震の際に,京都大学地球物理学教室に設置されていた二台の重力計はいずれも大きな振動を記録した.これを2分おきに読み取り,最小二乗法によつて潮汐の常数を定めた.つぎに,この常数を用いて潮汐の影響を取り除いたものを,フーリエ解析して地球振動をとり出すことを試みた.その結果6分ないし20分の周期を持つ振動はよく現われたが,これらはグーテンベルグによる地球モデルの理論的な周期とよくあつている.n=13,16,18に対してはスペクトルの山が見えない.また,観測の区間を二分して24時間ずつの二つとし,両者を独立にフーリエ解析して得られるスペクトルの大きさの比較から減衰を求めると,12分前後の周期のところでQは200~300とでてくる.