著者
粂川 定一 S. Kumekawa
雑誌
西京大學學術報告. 人文 = The scientific reports of Saikyo University. Humanistic science
巻号頁・発行日
vol.2, pp.27-43, 1952-12-20

「玉梓の」は「使」及び「妹」の枕詞として用ゐられ,時として「人」や「言(こと)」の上にも現はれる。併し「使」や「妹」にかかる理由に就いてはまだ定説がないし,「人」や「言」と接する場合は枕詞ではなくて,「使」の代語であると見るのが現状である。よつて「玉梓」の語義を探り,「使」や「妹」にかかる理由を考へ,更に「人」や「言」との關係に就いても觸れてみたいと思ふ。