著者
杉田 保雄 YONEDA Shigeaki WATANABE Toshinori SHIGEMORI Minoru
出版者
日本脳神経外科学会
雑誌
Neurologia medico-chirurgica (ISSN:04708105)
巻号頁・発行日
vol.35, no.8, pp.591-593, 1995-08-15
参考文献数
7
被引用文献数
2 6

脳動脈破裂によるくも膜下出血と隔たった場所に同時発症した高血圧性脳内出血の一症例について報告した。症例は77歳の女性で高血圧の既往があった。左内頚動脈撮影では左内頚一後交通動脈瘤が認められた。CTでは基底槽から左シルビウス裂にくも膜下出血が認められた。また破裂脳動脈瘤と同側の内包後脚にくも膜下出血とは別個に脳内出血が認められた。発症から3週後にネッククリッピング術が杉田のNo.26の有窓クリップにて施行された。脳内出血の影響による全身血圧の上昇が内頚一後交通動脈瘤の破裂の誘因と考えられた。