著者
島田 延枝 寺沢 敏夫 内藤 統也 松井 洋 星野 真弘 向井 利典 山本 達人 斎藤 義文 國分 征 町田 忍 SHIMADA Nobue TERASAWA Toshio NAITO Tsuguya MATSUI Hiroshi HOSHINO Masahiro MUKAI Toshifumi YAMAMOTO Tatsundo SAITO Yoshifumi KOKUBUN Susumu MACHIDA Shinobu
出版者
宇宙科学研究所
雑誌
宇宙科学研究所報告 (ISSN:02852853)
巻号頁・発行日
vol.98, pp.1-23, 1997-11

1994年2月20日01UTに発生した太陽フレアは, その伝播過程で強い惑星間空間衝撃波を生じた。太陽風中をモニターしていたGEOTAIL衛星は, 翌日2月21日09UTにこの衝撃波と遭遇し, 粒子分布や磁場等のプラズマ状態を詳細に観測することができた。その結果, このイベントに幾つかの特筆すべき現象がみられることが明らかになった。高周波まで及ぶ比較的強い磁場波動が観測された他, イオンのみならず, 電子に於いても衝撃波フェルミ加速の結果といえる分布とエネルギースペクトルが得られた。1AUに於いて電子の衝撃波統計的フェルミ加速のはっきりした証拠が得られることは, 大変希である。本稿では, 電子の衝撃波フェルミ加速現象の報告を中心に, それに関連する観測結果を述べていきたい。