著者
野,義夫
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集
巻号頁・発行日
no.36, 1990-11-30

ボーリング・コアの解析結果と, 砂丘に関する従来の研究とによれば, 河北潟地区における完新世の地史は次のように要約される: (1)約8,000〜4,000年前の海湾環境と, それにともなう砂洲と旧砂丘の急速な成長, (2)シルト質粘土の平均堆積速度は3.5 mm/年, (3)4,000年前から2,000年前の間の, 海水準の下降に対応した淡水湖条件, (4) 2,000年前以降の現海水準によって生じた汽水湖と新砂丘。土質工学的諸性質によれば, 河北潟の地下の完新世シルト質粘土は, 上層, 中層, 下層にわけられ, それぞれ, 汽水環境・淡水湖・海湾条件にほぼ対応している。干拓後の残存水域は淡水化に向いつつあり, 汚染水の流入による富栄養化が進行しつつある。

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