- 著者
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北尾〔ケイ〕斎政美<北尾政美>//〔画〕
- 出版者
- 吉野屋為八〔ほか〕
- 巻号頁・発行日
- 1787
北尾政美(鍬形蕙斎)の京都名所絵本。1巻。天明7年(1787)正月、京都吉野屋為八、江戸前川六左衛門、同長島利助刊。特大本1冊。万象亭(森島中良)の序を添える。すべて半丁絵から成り、半丁毎に切り離して鑑賞することも可能。名所は加茂、高雄山神護寺、茸狩、愛宕山、金閣寺、嵐山・法輪寺・渡月橋、四条、大文字、五条橋、音羽山清水寺、大仏殿、竜安寺。各図に小書きで地名、解説、和歌などを記す。体裁は名所図会に近い。細密描写による景観図で、より正確な描出を心掛けたためか、全体に静的な印象があり、政美の個性はあまり感じられない。上方の名所図会を多く手懸けた吉野屋為八が板元の一人として名を連ねる。書型や序及び奥付に薄墨を使用するのは、『画本宝能縷』と同じ傾向である。(鈴木淳)