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(明)張居正,(明)呂調陽//撰
古活字版。本書は慶長11年(1606)豊臣秀頼が出版したもので秀頼版と称される。中国古代から宋代までの君主の事蹟の中から善事、悪事を選び出し、一事ごとに挿絵及び解説を加えた帝王教育の書。万暦元年(1573)の序を持つ明版を底本とする。古活字版史上最初期の絵入り本。挿絵は整版で、丁の表裏にわたっている。近世初期、狩野派の絵師たちが画題とした帝鑑図は、この『帝鑑図説』の挿絵から影響を受けたといわれる。本書には、巻末に跋文のある有刊記本とこれを除いた無刊記本、さらに異植字版(同種類の活字を用いて組み換えた版)などがあるが、この資料は無刊記本である。各冊末に慶長18年(1613)足利学校第十代庠主寒松の奥書がある。