- 出版者
- [出版者不明]
- 巻号頁・発行日
- 1600
四教(経典を教理内容から四分類したもの)、五時(経典を釈尊の説法の順序により五分類したもの)等、天台宗学の教義について、初学者に理解させるための解説書。著者、著作年代は未詳だが、比叡山東塔西谷居住の僧侶の著述か。栗色古表紙の左上に題簽の痕跡が一部のみ残る。欄外に墨・朱の書き入れが多い。本文には朱引き、訓点、書き入れがある。全体に紙の疲れが目立つ。見返しに「東来堂常清軒是信斎都融」の墨書。第1丁に「明慶寺」墨書。巻上末に「能美嶌妙覚本」墨書、黒印「覚」。巻下巻頭右下に黒印「居」。巻尾に「明和乙卯十月九日/六十一歳/上下八十一紙」朱書、「釈恵暁」の墨書がある。大東急記念文庫所蔵の久原文庫本とは別版で同版は他に未見。久原文庫本の誤字脱字が修正され、活字はかなり磨滅し印刷面が不明瞭なので、あらたに再版されたものか。