- 著者
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唐陳鴻 撰
- 巻号頁・発行日
- 1616
「長恨歌伝」「長恨歌」「琵琶行」「野馬臺」4篇の詩文のを合集。「長恨歌」「琵琶行」は唐の詩人白楽天(諱、居易)の代表作。特に「長恨歌」は、玄宗皇帝と楊貴妃の悲恋をうたい、中国津々浦々で愛唱され、同時期に遠く高麗、日本にまで拡がった詩。日本では、この2編に、「長恨歌」を伝奇(短編小説)化した「長恨歌伝」と日本人の詩「野馬臺」を加えた写本が室町時代以降流布した。本版はその系統本をもとに、元和2年(1616)頃、京都東福寺で木活字印行されたもの。古活字版。刊記はないが、原表紙の裏貼りに元和2年東福寺印行の「十九史略通考」の摺り遺れが使われていること、その同種活字を使用し、版式も相似することから刊年、出版者が推定される。