- 巻号頁・発行日
- 1534
書名は『古今打聞』ともいう。巻頭には「秘蔵抄上」と記し、下方に「古今打聞躬恒撰之」とある。『古今和歌集』撰者の一人凡河内躬恒の著というのは仮託で、後人の手になる偽書と考えられる。難解な語を含んだ古歌を挙げ注解を加えるが、歌は誤伝によったりして他に所見のないものが多く、解説も荒唐無稽なものである。成立年代は明らかでないが、室町時代の好事家の作と見る説もある。巻末に天文3年(1534)の書写奥書がある。元表紙に「続群書類従 四百五十六」と印刷した題簽を貼り、第1丁に「温故堂文庫」「和学講談所」の朱印を捺すが、『続群書類従』所収本の原本とは別の写本である。