- 出版者
- 野田庄右衛門
仮名草子。著者未詳。万治元年(1658)野田庄右衛門刊。明の王圻編『三才図会』の「人物十二巻~十四巻」の人物図175図の中から適宜抄出し、若干の追補を加えて計138図を収め、図に付された解説原文を分かりやすく若干の言葉を補って和訳したもの。正保2年(1645)長崎津開版の『万国総図』の人物図の影響があったと思われるが、外国風俗の正確な紹介ではなく、後眼国・三首国・一目国・一臂国等々、想像上の荒唐無稽な国も多く記され、興味中心の娯楽的作品となっている。俳人角田竹冷(1857-1919)の「竹冷挿架」の蔵書印を捺す。影印本に『仮名草子集成』第4巻(朝倉治彦編、東京堂出版、1983)がある。(岡雅彦)(2019.2)