出版者
巻号頁・発行日
1656

仮名草子。教義問答体小説。明暦2年刊。2巻。本書は柱刻が上巻「はだか」、下巻「要文抄」と異なり、本文の書体も下巻の3丁以下と、上巻及び下巻1・2丁とは全く異なり成立に謎のある作品である。上巻は小篠少将為忠が大徳寺の一休和尚を尋ね仏法について尋ね一休が答える、問答のやり取りで話が進み、やがて為忠は成仏する。下巻は小篠少将為忠の中陰に詣で花を手向けて、自らもまことの道を願って、浄土宗の長老に尋ねると、長老は源空の「一枚起請文」を示して、その文言を釈し、さらに「善導大師発願の文」を示してこの釈も行い、最後に光明遍照の文と願以此功徳の文を示し、これを唱えれば臨終正念疑いなしと説く。上巻に一休を登場させ、阿弥陀の教えに従って成仏すべしと説かせたのは、一休宗純の浄土宗転宗の一件を意識したものであろう。本書の下巻を独立させた江戸版の『あみだかんきん抄』が寛文4年と10年にでている。(岡雅彦)

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