- 著者
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菖翁 [著]
- 巻号頁・発行日
- 1800
松平定朝(さだとも、号は菖翁、1773-1856)は幕府の旗本(2000石)で、御書院番・禁裏付を経て、京都町奉行を長く勤めた。花菖蒲で名高いが、園芸全般に詳しかった。本書は草花100種の解説で、図はないが、来歴や品種の解説に筆を費やす。本資料では、巻頭部にある「桜草」や「天竺牡丹」(ダリア)は来歴に、「福寿草」や「百合」は品種に詳しい。ダリアは、これが園芸書での初出らしい。なお、同名の特7-472本も同本。定朝は著作をしばしば改訂して、項目を入替えたり、項目の内容・配列を改めたり、書名を変更したりした。本書も、弘化4年序本(205-126:『百花培養集』と改題)と、嘉永元年(1848)序本(特1-486:自筆、上巻のみ所蔵)がある。また、『後編百花培養集』(特1-3371、嘉永2年序)は『百花培養集』の補編である。(磯野直秀)