- 出版者
- [製作者不明]
- 巻号頁・発行日
- 1000
寛延3年(1750)から宝暦7年(1757)にかけての江戸歌舞伎の番付を、26枚集めて袋綴じにしてある。宝暦5年11月中村座と市村座の「下り役者之次第」が、次年度の一座顔ぶれを示す顔見世番付に分類されるほかは、すべて辻番付である(中村座16枚、市村座4枚、森田座3枚、竹田からくり1枚)。辻番付は、興行ごとのポスターに相当し、主な役人替名と鳥居派による大きな絵組が特徴である。本冊は現存する辻番付としては初期の重要なコレクション。同じ興行の役割番付が残っていない事例も多いため、興行記録としての価値も高く、義太夫や常磐津など音曲関係の出演記録も貴重。顔見世番付の形式を模した「三傘暁小袖」(宝暦6年3月26日中村座「寿三升曽我」二番目大詰)もユニーク。(児玉竜一)(2017.2)