著者
宋釋道原撰
巻号頁・発行日
1348

宋道原撰。禅宗の法系を明らかにし祖師の伝記を述べ、すぐれた法語・詩文なども収めた書で、中国禅宗史研究の基本資料。川瀬一馬著『五山版の研究』によれば、本書の五山版には、(1)貞和4(1348)年刊行の元延祐刊本の覆刻本、(2)(1)の版木が文和4(1355)年に焼失した後、延文3(1358)年に刊行された補刻重刊本、(3)(2)で使用した焼け残り版木のうち損傷の甚だしいものに補刻を加え応安期に刊行されたもの、(4)(2)を基にしているものと認められる別版の覆刻本の4種が伝存するという。当館本は、この4種中の(1)に相当し、建仁寺天潤庵住の居士玉峯正琳が開版したもので、五山版の最盛期を代表すべき善本とされている。各冊第1丁目から、上欄外に大字で1丁1字ずつ「大圓寺怡雲庵(菴)常住」の墨書があり、各冊末には「月菴(庵)和尚遺物なり」の識語が大字で墨書されている。全巻に墨で返り点・送り仮名が施されている。

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