著者
加藤盤斎
出版者
林伝左衛門
巻号頁・発行日
1660

注釈書。加藤盤斎著。万治3年(1660)林伝左衛門尉刊。江戸初期、伊勢物語の注釈書として主流を占めた細川幽斎の『伊勢物語闕疑抄』に盤斎が注を施したもの。巻頭に総論として「大略」を置く。承応元年(1652)に東山建仁寺に於いて講談したものとする。闕疑抄の版本は古活字本を始め、寛永11(1634)、14、16、19、慶安元(1648)、承応2、万治2など多数行われ、いずれも慶長2年(1597)の奥書を持つ。本書も慶長2年奥書本を本文として、頭書に注を入れたものである。盤斎は寛文8年(1668)には『伊勢物語抄』11冊を刊行する。さらに万治3年から寛文9年にかけて、『徒然草抄』2巻、『貞徳頭書百人一首抄』3巻、『新古今和歌集増抄』20巻、『三部抄増注』10巻、『詠歌大概注』1冊などを矢継ぎ早に刊行した。(岡雅彦)(2019.2)

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