- 著者
-
菊池 聡
- 出版者
- 地域ブランド研究会事務局
- 雑誌
- 地域ブランド研究
- 巻号頁・発行日
- vol.4, pp.47-78, 2008-12-31
90年代終盤以降、 「秋葉原」は「おたく」の聖地として、急激に変貌を遂げてきた。この「秋葉原」という地域ブランドの確立は、日本の文化・経済状況の変化がもたらした「おたく」ステレオタイプの変容と拡散に、深い関連があると考えられる。本論文では「おたく」ステレオタイプと「秋葉原」の関連を明らかにするために、大学生(N-368)に対して調査を行い、 1998年の調査と比較した。その結果、ネガティブな「おたく」ステレオタイプが、ややポジティブな方向へ変化してきたことを明らかにした。また「おたく」概念についての自由記述の分析から、 98年の段階ではほとんど見られなかった、 「秋葉原」という表現が、特有のファッションや趣味と結びついて多く出現していることを見いだした。これらをもとに、日本を代表する地域ブランドとなった「秋葉原」の特徴を考察した。