著者
蒔田 裕美
出版者
法政大学スポーツ健康学部
雑誌
法政大学スポーツ健康学研究 = Bulletin of Faculty of Sports and Health Studies Hosei University (ISSN:21853703)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.15-22, 2019-03-30

山田耕筰は、人間の抱くあらゆる感情を健康な肉体美を通して表現することを理想とするイザドラ・ダンカンの革命的な舞踊思想に感化され、舞踊を創作した。ダンカンの舞踊は音楽に依存していたが、山田はリズムを媒介として音楽と舞踊の一体化を理想とする「舞踊詩」を独自に考案し、自身の内から沸き起こった詩情を音楽と舞踊で表現した。因襲的なバレエの形式を打破し、感情を自然な動きに翻訳することを目指したダンカンのモダン・ダンスは、西洋音楽の伝統に縛られていた山田が独創性を発揮する作品を生み出す原動力となったのである。

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